ストック・オプション
ストック・オプションとは会社が自己株式を取締役や従業員に対し一定期間内に一定金額にて、会社から購入出来る権利の付与を言います。

自社株を購入した取締役や従業員は自分の意思決定で市場にて自由に売買する事が出来ます。

従って株価上昇時はキャピタルゲインを期待できるので、ストック・オプションは株価連動型のインセンティブ報酬と言われる所以です。
また、ストック・オプションはオプションすなわち選択権ですので、その権利行使の選択権を付与されているわけですから、株価上昇を見ながら、投資メリットを発揮しやすいのです。

また平成13年11月の商法改正によって新設された「新株予約権」はストック・オプション制について「取締役または使用人に対する新株の引受権の付与」として新設併合され、その権利の付与対象者を役員・従業員だけでなく無制限としましたので、企業を取り巻くあらゆるインタレストグループ(取締役・従業員・金融機関・取引先等)に自由化されました。

この新株予約権権利行使(株式の取得)に関する経済的利益には課税されませんが取得した株式を譲渡した場合は課税となります。すなわちオプションを実行した購入価額と売却価額の差額は株式の譲渡益として20%の所得税と6%の地方税の申告分離課税になります。源泉分離課税は平成14年12月31日で廃止です。

平成17年1月25日最高裁判決によりストックオプション行使による利益は雇用契約に基づく労務対価としての給付であるとして給与所得との判決が下りその処理が確定しました。



【参照】
商法改正によるストック・オプションの一般化に伴い、「特定の取締役等が受ける新株の発行に係る株式の取得に係る経済的利益の非課税等」の特例措置を、次のように改組する。
1. 株式会社の取締役又は使用人(一定の大口株主である者等を除く。)等が、次に掲げる権利で、(イ)その権利の行使が株主総会の決議の日から2年以内はできないこと、(ロ)その権利の行使に係る譲受け価額等の年間の合計額が1,000万円を超えないこと、(ハ)その権利の行使により取得をする株式はその株式会社により、その者に代わって、一定の方法によって証券会社、銀行等に保管の委託等がされるものであること等の要件を満たすものを行使して株式を取得した場合の経済的利益についは、一定の要件の下で、所得税を課さないこととする。

<1> その株式会社の定時総会の決議に基づきその株式会社と締結した契約により与えられた「あらかじめ定めた価額でその株式会社からその株式をその者に譲渡すべき旨を請求する権利」
<2> その株式会社の株主総会の特別決議に基づきその株式会社と締結した契約により与えられた新株の引受権

2. 上記 1.の非課税措置の適用を受けて取得した株式(以下「特定株式」という。)をその取得の日以後に譲渡した場合には、その特定株式の譲渡による所得については、行使価額を取得価額とした上で、株式等に係る譲渡所得等の申告分離課税を行うこととし、上場株式等に係る譲渡所得等の源泉分離選択課税は適用しないこととする。

3. その保管の委託等の解約等により特定株式の全部又は一部の引渡しがあった場合には、一定の方法によりみなし譲渡課税を行うこととする。

4. その他
<1> 株式会社は、上記 1.の<1>又は<2>の権利を付与した場合には、その被付与者の氏名及び住所、付与した株数、1株当たりの行使価額等を記載した調書を税務署長に提出しなければならないこととする。
<2> 証券会社、銀行等は、その保管の委託等を受けている特定株式につき、その年中の異動状況、年末の株数等を記載した調書を、各人別に、毎年、税務署長に提出しなければならないこととする。



銀行持株会社の創設に係る税制上の措置
銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律の制定に伴い、次の税制上の措置を講ずる。

1. 被合併法人(消滅銀行)の株主が銀行持株会社に対して現物出資をした合併法人(存続銀行)の合併交付株式について、銀行持株会社の受入価額が株主の帳簿価額の合計額以下であると認められる金額であることを条件に、取得価額の引継ぎによる課税の繰り延べを認める。

2. 被合併法人(消滅銀行)の繰越欠損金について、合併評価益により補填された合併直前の欠損金がある場合には、その補填された欠損金相当額を控除し、合併法人(存続銀行)への引継ぎを認める。

3. 合併後に合併法人(存続銀行)が銀行持株会社に対して譲渡する子会社株式について、銀行持株会社が合併直前の帳簿価額を取得価額とすること等を条件に、譲渡益に対する課税を行わない。

4. 被合併法人(消滅銀行)の株主が銀行持株会社に対して現物出資をした合併法人(存続銀行)の合併交付株式に係る有価証券取引税を非課税とする措置を講ずる。

5. 銀行持株会社が被合併法人(消滅銀行)の株主から合併法人(存続銀行)の合併交付株式の現物出資を受けたことに伴う資本の増加の登記に対する登録免許税について、2年間の措置として、その税率を1,000分の3.5(本則1,000分の7)に軽減する措置を講ずる。

6. 合併により合併法人(存続銀行)が受ける不動産の所有権の移転登記又は抵当権の移転登記に対する登録免許税の税率を、2年間の措置として、合併後1年以内に登記を受けるものに限り、所有権の移転登記にあっては1,000分の3(本則1,000分の6)、抵当権の移転登記にあっては1,000分の0.5(本則1,000分の1)に軽減する措置を講ずる。



特別目的会社(SPC)に係る税制上の措置

1. 特別目的会社(仮称)に対する法人税
資産流動化法(仮称)の特別目的会社が、多数の投資家又は特定の機関投資家に対して債権、不動産等の資産を裏付けとした証券を発行しているものであること、他の事業活動を行っていないこと、所得(債券を発行している会社の場合にあっては、一定金額を控除後)の90%以上を配当として支払っていること等の要件を満たしている場合には、所得の金額を限度として、当該事業年度に係る支払配当の額を損金の額に算入することとする等の措置を講ずる。

2. 投資家に対する課税 ・ 特別目的会社から支払を受ける証券の利子、配当等の収益については、その証券の内容に応じ、現行法の規定に従って課税する。ただし、特別目的会社から支払を受ける配当については、受取配当等の益金不算入又は配当控除に関する規定は適用しないこととする等の措置を講ずる。

3. その他の国税における措置
<1> 特別目的会社の設立登記に対する登録免許税を定額課税(設立登記3万円)とするほか、2年間の措置として、特別目的会社が資産流動化計画(仮称)に従い取得する不動産の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率を1,000分の25(本則1,000分の50)に軽減する措置を講ずる。
<2> 債権譲渡を受ける際の債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(仮称)の債権譲渡登記(仮称)については、登録免許税の課税対象としないこととする。
<3> その他所要の税制上の措置を講ずる。

4. 特別目的会社に係る地方税における措置
<1> 特別目的会社が資産流動化計画に基づき取得する一定の不動産に係る不動産取得税について、当該不動産の価格の2分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を2年間に限り講ずる。
<2> 特別目的会社が資産流動化計画に基づき取得する一定の土地に係る土地の取得に対して課する特別土地保有税の非課税措置を2年間に限り講ずる。
<3> 特別目的会社から支払いを受ける証券の利子、配当等の収益については、その証券の内容に応じ、現行法の規定に従って課税する。ただし、特別目的会社から支払いを受ける配当については、配当控除に関する規定は適用しないこととする等の措置を講ずる。